シンバファームのブログ

トマト農家から見た、飛騨高山の人と自然を書く

まるかじり農園が仕掛ける、新時代の農業戦略

大切な仲間を紹介する『新葉のオススメ』のコーナー。

今回二度目となる、まるかじり農園さんへ。

その素顔に迫ってきました。

 

新規就農者であるまるかじり農園さんは、いつ話していても、着眼点が違うことを感じてしまいます。

農家とは、朝日が登る前から働き、遅くまで畑にいる。

こうあるべきだという、いつからか決められた『美学』が呪いみたいに感じてならない。

その「美学と言う名前の呪いに縛られていては、本当に大切なものを守れない。

そして、結婚=伴侶となったものは、その後は必ず、農作業をしなければいけない。

そんな農家の暗黙のルールみたいなものに縛られること無く、まるかじり農園さんの素顔には、新しい農家の姿を垣間見た気がします。

新規で就農された、みなさまには特に。

そして、まるかじり農園のファンの方へお届けしたい物語があります。

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目次

 

安心』『安全』を大切とした商品作りをコンセプトとした『まるかじり農園』。

彼がどんな思いで、商品を作っているかは、前回記事をこちらよりご覧下さい。↓

 

shinba-farm.hatenadiary.com

 

 

そうなんです。前回記事にも触れたように、まるかじり農園、代表石垣くんは、とても情報収集が素晴らしく、それを的確に処理しているというのが、彼の強みでもあります。まるかじり農園さんは、新規のメルカリshopsに素早い対応し、すぐさまオープンするなど、そんな彼の『調べる力』はどこから来ているのでしょうか?

彼の過去を少し遡ってみました。

 

自分で決める『調べる力』

まるかじり農園、代表石垣くんは、昔からパソコンを触るのが好きだったようです。

その中で、よく使っていたのが、『価格.com』のサイトで、物の値段をリサーチすることでした。

 

例えば、彼が大学へ進学した際も、アパートで生活する家具を調べて、高い、安い。

ということを徹底的にリサーチしてから新生活を迎えたのです。

今でこそ、スマホが普及し、調べやすい環境ではありますが、まだ携帯が普及したばかりの当時、自分で調べることが出来る学生はそんなに多く無かったと思います。

彼は学生の頃からしっかりしていました。

 

そんな原点が、彼の『調べる力』の元になっているのですね!

彼のその能力が素晴らしく、今年開花しました。

 

家族を大切に

農家さんは、家族労働の方が多いと思います。

彼は新規就農者ですが、『農業』を事業として捉えて、就農したんです。

冒頭でも触れたように、朝から晩まで働くことが、

良い農家』『しっかり出来る農家

ならば、それが『美学』とされるならば、いつ、家族との時間を作るのでしょうか?

 

忙しいから、彼女が出来ない

忙しいから、遊びに行く暇もない

 

よく農家さんから、ささやかれる愚痴です。

「もちろんピーク時はそうなるかもしれないけど、年中ずっと働いていたら、

そもそも付き合う時間も作れない。

その時間を作れないのに、結婚して上手くいくのでしょうか

結婚して、家族ほったらかしにしてて、疲れ果てるくらい働いて。

そんな農家像には、全く憧れが無かった。」

 

そう話す彼の意見には、共感しかありませんでした。

 

「だからこそ、まるかじり農園のゴールとして、いかに効率化するか、いかに時短するか。

そこだけを考えてやってきた。だから、地域モデルである

面積✖️反収

をどれだけ伸ばすか!という流れに疑問しか無かった。」

 

そこで2021年、彼は大きなチャレンジをしました。

ふるさと納税の返礼品』と『メルカリShops』への進出です。

 

ふるさと納税の返礼品

まるかじり農園さんが単価を上げるためにまずチャレンジしたこと。

それが地元高山市ふるさと納税の返礼品登録です。

 

高山市ふるさと納税の返礼品は、野菜は人気がありませんでした。

担当者の話では、多くて100箱くらい出荷があるかどうか。

ということでした。

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夏秋産地のトマトは、8月に、溢れるほど生産されてしまいます。

そこで彼が狙ったのは、8月時の価格の安定です。

「夏ほどの、トマトが食べて貰える時期に、出荷している単価は安い。量が溢れる。

でもスーパーの価格は、毎年全く変わらず。そんな状況を打破したかった。」

 

彼が放った商品は、

無選別トマト」です。

彼の商品は、勢いよく出荷され、高山市ふるさと納税野菜ランキングで、2位を取得したのです。

 

 

メルカリShops

ふるさと納税返礼品にて、個人客への配送のため、ある程度の商品化を決めたことで、あとは、収穫期を待つのみでした。

そんな時に、新しい情報が。

メルカリさんが新たに、ECショップサービスを展開するらしい。

彼は、この情報を聞いた瞬間、

このサービスに、乗っかるしかない!

そう感じ、直ぐに登録をしたそうです。

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その作戦は大当たり

彼は今年初挑戦ながらも、ふるさと納税返礼品メルカリShopsにて、トマト1000箱を売上たのです。

そんな詳しいお話は、こちらまるかじり農園のnoteよりご覧くださいませ。

https://note.com/marukajiri_farm/n/n5bb219b6843b

 

チームとしての家族

「そんなEC販売を支えているのは、他ならぬ奥様の支えがあってこそです。」

そう感謝の言葉と共に、取り組みの話をしてくれる彼からは、

家族労働しての農家ではなく、チームとしての農業をしていることがよく伝わってきました。

 

「どうしたら相手に伝わるか?どんな説明が相手に伝わるか?全てその部分は、奥様の監修です。」

noteを見てもらえれば、メルカリShopsの商品出品1つ見ても、その細かな対応がよくわかります。

 

結婚したら、労働者。そんな今までの農家としての流れを変えるような、チームとしての農業

生産は、代表が行い、それをデザインする奥様

こんな最強な農家の活躍は、この先も気になりますね!

引き続き、まるかじり農園noteもご覧くださいませ。

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娘たちの世代のために

彼が新しい挑戦をするのは、労働時間に縛られる農業をやり方を変え、家族を大切にしたいとの想いが強く感じられました。

まかじり農園さんのTwitterには、よく娘さんのことがアップされています。

娘さんへ、どんな想いを伝えたいかを伺いました。

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「せっかくこんなど田舎に育つなら、自然に触れて、色々なものを感じて欲しい

それは、まるかじり農園さんが大人になっても、振り返ると「田舎に育った良さ」が必ずあったからと、娘さんに対して、色々なことを体験しながら育って欲しいという想いがあります。

そんな娘さんの愛くるしい姿のTwitterを見つけましたので、ご覧ください。

 

 

ビジネスとしての農業の大前提として、『家族』があることを忘れてはいけない。

そんなまるかじり農園さんの想いに触れられた取材となりました。

 

まとめ

  1. 自力で調べる力を養う。
  2. 古い概念に囚われない。
  3. 仕事に追われ過ぎず、時間を作る努力をする
  4. 新しいチャレンジには、イケる時に行く!
  5. 家族を大切にする