新葉ファーム開業〜経営開始編〜
私は非農家から、農家を目指し、2017年にトマトを中心として新規就農しました。
新規就農者が受けることが出来る補助金を一切受けず、たくさんの苦労をして、条件の悪い畑を改良し続け今に至ります。
微増ながら、毎年収穫量は増えてきています。
小さな経営でも、安定的に1000万の売上を目指しています。
2度の災害を受け、
たくさんの失敗を乗り越えてきました。
それは周りの方々に、たくさんの支えられたおかげです。
そんな開業してからを振り返りたいと思います。
目次
就農までの悪戦苦闘ブログは、こちらをご覧ください。
新葉ファームの歴史
2016年 農業法人を辞める。
2017年 新葉ファーム開業。長雨と、台風に遭う。
2018年 研修生を迎える。スタッフ(パートさん)を迎える。面積増。台風直撃。
2019年 栽培品種を変える。ある程度結果出る。研修生が卒業する。
2020年 仕立てを大幅に変えて大失敗。
2021年 前年より面積を減らすが、過去一番結果が出る。
ハウス付きの土地を借りたけど
前途多難はありましたが、開業するため、
ハウス付きの土地を借りることが出来ました。
この地(飛騨地区)は今や、新規就農激戦区です。
条件の良い土地は空いていません。
私が借りたハウスはこんな状態でした。
借りたハウス10本の一部(3ハウス)が倒木で、ぐしゃぐしゃだったのです。
また2本はサビだらけで、少し触るだけで、揺れるほど劣化していました。
ものがあるだけまだマシと。
時間を掛け、少しずつ直しました。
木を切り、ハウス直しから、就農前はスタートしたのです。
撤去・修繕作業が、シーズンに間に合わないかもしれないと、夜に電気を付けて作業した日もありました。
サビだからけのハウスは、建て替えを決意しました。
排水が悪い
たくさんの方の支えにより、準備は出来ました。
いざ経営スタートし、トマト栽培をしました。
農業歴を振り返り、過去8年の栽培経験から、トマトの収穫量が、
地区の平均以下になったことはありませんでした。
しかし自然相手の職業。
予期せぬことはたくさんあることを、改めて思い知ったのです。
一年目。
初めて作った畑。
こんなに排水が悪い畑は初めて、体験しました。
この写真は雨降り後でもなんでもなく、ずっと水が溜まっていました。
ビニールを掛けて1週間しても、全く水が引きませんでした。
水を与えても、すぐ通路が湿るほど、排水性のない畑でした。
やはり一年目は、平均収量の2/3程しか収穫量がありませんでした。
売上も見込みの75%ほどでした。
災害に遭う
2年目は規模を増やしました。
理由は研修生を受け入れたためです。
そのお話はまたどこかでしたいと思います。
この年は飛騨地区へ20年ぶりの台風直撃でした。
私のハウスも全てのビニールが破れたり剥がれたりしました。
2ハウスが潰れました。
ハウスが潰れた時は、すごいショックだったことをよく覚えています。
ビニールが破れたのは、農業共済に加入していたので、金銭面で、ある程度助かりました。
この時の被害は、ハウスのビニールが剥がれた以上に、トマトが雨にあたったことにより、その後トマトの品質がほぼ出荷出来ないものになったことです。
売上は予定の半分になってしまったのです。
この時、生活費を助けてくれたのは、最初の融資金額分でした。
あまり使わずにとっていたため、災害時の助けとなりました。
人が良いと言ったことは
苦労しながらも、3年目、大きな災害も無く、ある程度の結果が出ました。
4年目は、スタッフの人数が減ったため、手間がかからないと言われている仕立て方法にチャレンジしました。
しかし、仕立て方を大幅に変更したことと、1ヶ月の長雨に、対応出来ず売上が下がりました。
この年、私の畑は災害認定されました。
この5年の間に2回もの災害に遭ったのです。
特に、仕立てを変えたことは、長雨に作業ピークが被ってしまい、雨のために出来ない作業が多く、打つ手がありませんでした。
通常の仕立てだったらもしかしたら、この年乗り越えられたのかもしれません。
これは仕立て方に限らずのお話ですが、
他の農家が
「この方法良いよ」
「この肥料良いよ」
などの方法は必ずしも、自分の経営に当てはまるとは限りません。
何故なら、環境が違いますし、土壌・環境も違います。
スタッフの数が違うこともあります。
もし取り入れる場合は、なぜその方法が良いかをよく理解し、少し試してからの方が良いです。
よかったら次年度より、徐々に取り入れていく事を、お勧めしたいです。
わかったこと
たくさんの災害を乗り越えて、今まだ経営を続けていられるのは、家族や、周りの方々のおかげしかないと思っています。
こんな失敗ばかりの私ですが、
失敗を恐れずに、新しいことには少しずつチャレンジしていくことは大切です。
成功している人こそ、たくさんの苦労と失敗を乗り越えている方が多いです。
その失敗を糧に、次年度、更に経営を良くしていくことができます。
同じ失敗はダメですが。
そして頑張っていれば、誰かがその努力を見ていてくれています。
その誰かが、必ず助けてくれるタイミングがあります。
私は、色々な方に「頑張ってるね」と声を掛けられ、資材を頂いたり、情報を頂いたりと、たくさん助けられました。
感謝を忘れずに、農業も家族も大切にし、頑張りたいと思います。
私の振り返りは、もちろん栽培品目や、地域によっては、参考にならないかもしれませんが、ヒントとなるものがあれば幸いです。
参考にした本
新規就農へのアドバイス的な本はたくさんありますが、地域によって、品目によって考え方が全く違ったりします。人と会って、直接アドバイスを聞くのが一番良いと思いますが、この5年の経営の中、参考になった本を紹介したいです。
1.東大卒、農家の右腕になる。小さな経営改善ノウハウ100
こちら是非読んで頂きたい。言わずと知れた有名な本です。
こんなん当たり前だろ?みたいなこともありますが、意外に、その当たり前が出来ていないことがあります。個人経営なら尚更、指摘してくれる人は少ないです。
自分の経営を振り返りながら、毎年読むのも良い本だと思います。
2.フードバリューチェーンが変える日本農業
この本は、ある会社の代表からおすすめされた本です。
これからの時代、GAPやHACCP、異業種との連携が必須であると納得できる本です。
また、全国的に有名な農家の成功例が挙げられています。
私は、将来的にこんな農家を目指したいと、目標になる農家さんを見つけることが出来ました。
参考になる本です。
3.もみがらを使いこなす
土耕栽培の私は、土のレベルをどう上げていくか。
また有機物をどう使っていくか。
私は、とても参考になったものです。
また参考程度に見てみて下さい。
今後の目標
計画から1年遅れで、2021年には、1000万の売上を達成しました。
小さな達成ですが、確実に売上を伸ばしていきたいと思います。
中山間地域では、面積を拡大するのにそれなりのリスクもあります。
面積拡大で売上を伸ばすのでは無く、色々な工夫を持って、
2000万円の売上を目指し、農業に取り組んでいきます。
また、志を同じくする仲間と新しいチャレンジが出来たらと思っています。
今後も応援よろしくお願い致します。
まとめ
- 初期にあまりお金を掛けない方法を探る
- 災害時を想定する
- 人の「良い」を鵜呑みにしすぎない
- 感謝を忘れずに、必死にもがいて頑張る
- 人脈はとても大切